簿記2級の試験では、商業簿記と工業簿記の両方が出題されます。簿記3級は商業簿記がメインでしたが、簿記2級では初登場の工業簿記とより複雑な商業簿記の知識が必要になります。
この記事では、簿記2級の商業簿記の試験範囲・勉強ポイントなどを詳しく解説します!
商業簿記とは?

「商業簿記」は、企業の売買の取引を記録し、正確な財務諸表を作成するための会計手法です。
簿記2級では、簿記3級で学んだ基礎を踏まえ、より複雑で実務に即した取引や決算整理の仕訳、特殊な取引が加わります。
商業簿記は、企業の財務状況を正確に把握し、経営判断や戦略立案に役立つ情報を提供することを目的としています。
簿記2級の商業簿記で学ぶ内容
・仕訳のレベルアップ(税効果会計、外貨換算、有価証券など)
・決算整理の理解(引当金、減価償却、繰延資産など)
・財務諸表の作成(貸借対照表、損益計算書、精算表)
・新しい論点(連結会計、株主資本変動計算書など)
簿記2級では、実際の企業経理を意識した会計処理が求められるので、
単なる暗記ではなく、取引の流れをしっかり理解することが大切です!
簿記2級商業簿記の試験範囲と出題傾向
簿記2級の試験では、商業簿記だけで60点分を占めます。40点分の工業簿記についてはこちらで解説してます。
ここではその出題傾向を大まかに紹介します。
【試験の主な構成】
第1問 | 第2問 | 第3問 | 第4問 | 第5問 | |
出題範囲 | 仕訳 | 株主資本等変動計算書など | 決算 | 仕訳+個別・総合原価計算 | 標準原価計算・直接原価計算 |
科目 | 商業 | 商業 | 商業 | 工業 | 工業 |
配点 | 20点 | 20点 | 20点 | 28点 | 12点 |
・第1問(20点)
:主に仕訳問題。掛け取引、返品、税金処理など、基本の仕訳に加え応用仕訳が計5問出題される。
・第2問(20点)
:連結会計や株主資本変動計算書などが出題される。
・第3問(20点)
:財務諸表の作成問題など

簿記2級商業簿記の学習ポイント

1.仕訳問題を徹底対策!
→過去問・予想問題を繰り返し解き、出題パターンを把握。
大学生は通学時間に仕訳アプリで学習するのが効果的!
またネットで「簿記2級 仕訳問題」と調べれば、いくらでも問題が出てくるので、
そちらで練習するのも Good!
2.連結会計・税効果会計などの応用論点を理解する
→基本ルールを押さえ、具体例で理解を深める
新論点はテキストだけで完全に理解することは難しいこともあると思うので、
CPAの無料講義やYouTubeで解き方を理解しましょう!
CPAラーニングは、Web無料講座を提供しており、大手公認会計士資格スクール「CPA会計学院」が運営しているサイトになります。日商簿記3級から1級をはじめ、講義やテキストを無料配布しており模擬試験を実際に解くことも可能です。
講座を受講中やサイト使用中に有料課金が必要になることはありませんので、安心して活用してみてください!
3.貸借対照表・損益計算書の作成練習をする

→頻出テーマなので、繰り返し解いて作成に慣れる
簿記3級と同様に貸借対照表・損益計算書が出題されますが、新しい区分や計算が増えます。
簡単に言えば、簿記3級と比べてやることが多くなるということです。
しかし、こちらもパターンを覚えてしまえばどうということはないので
繰り返し作成の練習をしましょう!
4.試験の傾向を分析し、重要論点に集中する
頻出テーマを重点的に学習するのが効率的!
第1問:仕訳(有価証券、固定資産、リース取引など)
第2問:連結会計株主資本等変動計算書
第3問:財務諸表
↑これは確実に抑えていきましょう!
簿記2級で初登場する仕訳・論点
簿記2級では、新しく学ぶ仕訳や論点が増えるので、しっかり理解していきましょう。
ここでは、簿記2級で初登場する主な仕訳項目や論点について簡単に紹介します。
仕訳
項目 | 説明 |
株式発行 | 企業が株を発行して資金調達する際の処理 |
無形固定資産 | 特許権・商標権などの取得と減価償却 |
リース取引 | 資産を借りて使用する場合の会計処理 |
研究開発費 | 研究開発にかかる費用の処理 |
有価証券 | 株式や債券の売買・評価の処理 |
外貨換算取引 | 海外取引の際の買掛金・売掛金ルール |
税効果会計 | 税金の繰延処理 |
新論点①:連結会計
「連結会計」は、親会社と子会社の財務諸表をまとめる会計処理です。
簡単に言えば、親と子で行われた取引を相殺したり、まとめたりして1つの会社として考えることです。
これを行うことでグループ全体の財務状況を正確に把握できるようになります。
簿記2級では、子会社の株式取得、連結仕訳(投資と資本の相殺)、未実現利益の処理など、基本的な連結会計の処理を学びます。
新論点②:株主資本変動計算書
企業の純資産(資本金・利益剰余金など)の増減を示す「株主資本変動計算書」も学ばなければなりません。
これは、貸借対照表(B/S)の純資産の部の変動を詳しく説明するための財務諸表で、
配当金の支払いや新株発行、利益の積み増しなど、株主資本の動きを把握することが目的です。
簿記2級では、これらの新しい仕訳や論点を覚えなくてはいけません。
基本を押さえつつ、実際の試験問題を通して応用力をつけていきましょう!
まとめ
簿記2級の商業簿記は、単純に3級の延長ではなく新しい論点が多数追加されるため、しっかりとした対策が必要です!
✅仕訳のバリエーションが増える(有価証券や外貨換算など)
✅財務諸表の作成スキルが必須
✅連結会計などの新論点が登場
まずは基本をしっかり固めつつ、頻出論点を重点的に勉強することが合格への一番の近道です!
最後まであきらめずに学習を継続していきましょう!
↓こちらでは簿記2級のおすすめテキストや効率的な勉強法についても解説しています。
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